コンゴの時間と日本との時差

コンゴ(RDC)のこと。
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時差ぼけ

たいてい、「時差ぼけがしんどいのは日本に帰ってから」というイメージが私の中にはある。中東やアフリカに行くと、時計をどんどん後ろに回して良くて、体的には「超夜更かしして寝たら、ピッタリ現地時間の早寝早起きに合ってしまう」という感じ。反対に日本に帰ってくると、体内時計はまだ夕方なのに、もう寝ないといけない…という具合だから辛い。

 

ところが到着から数日間、子供たちの体内時計は笑ってしまうほど日本時間だった。30時間を超える長旅の中で細切れに寝たり起きたりしていたせいか・・・。Gomaに着いたその日、夕方に寝入ったと思ったら朝の2時ごろ(日本時間の午前9時)にゴソゴソと起きだしてきた長女・あ太郎。時折聞こえてくる近所のニワトリの鳴き声がそれはそれは新鮮なようで、聞こえてくるたび「ニワトリ!」「ニワトリ!」とはしゃぐ。ニワトリ=朝に鳴くものと思っている彼女は「まだ夜中やで」と聞かされて怪訝な顔をしている。それでも寝ようともせず、当然のようにリビングの椅子に座ってしまった。仕方がないので私も付き合って座ると、今度は次女・もー次郎も起きてきた。

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停電

それから次の日は起きるのが午前3時になって、その次の日は午前4時になって・・・という具合に少しずつ彼女たちの体内時計は現地時間に適応していった。それもそのはず、着いて3日後に電気が途絶えたことが否応なしに適応させることになった。停電の夜というのはこれはもう寝るしかなくなる。この完全な大規模停電は4日間ほど続き、電気がつかないどころかスマホの充電さえできず、ポンプが働かないため、水でさえ滞在中のフラット上階まで上がって来なくなった。

デジタルデトックスどころか、インドアでありながら水・電気・ガスなしのアウトドア生活。到着早々、これから先の電気事情を懸念せざるを得ず、いつ復旧するのか誰に聞いても「分からない」と。こんな所で冷蔵庫やら湯沸かし器やら家電なんて持っていても仕方がないのではないか。ということは家で冷たいビールは飲めないのだろうか。

今度帰国したら、簡易のソーラー充電器なんか買ってみるべきか。そういえばGomaはさすが活火山のふもとの街…足元が悪いから丈夫なサンダルが要るな。暗闇の中、早くも頭の中でグルグルと買い物リストを作り始めていた。

後になって分かったことは、1日の中で電気が来たり来なかったり・・・ということは茶飯事でも、こんなに断続的な停電は珍しいものだったということ。だから、我が家には冷蔵庫もあって、冷たいビールも飲める。命拾いした。

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コンゴの標準時は2つ(アフリカで唯一、複数の標準時をもつ国)

コンゴ民主共和国は地図で見ると、縦の方が少し長い長方形の形をしている。それでも、一般的に国の地域を語るときは南北ではなく、大まかに西と東に分ける。(※これは少し古い地図で、プロバンスが細分化される前の物であるが、西と東のパートが分かりやすく色分けされているので引用した。)

Map of the Democratic Republic of Congo showing 11 provinces. Provinces... | Download Scientific Diagram
引用:ReserachGate

上の地図の、赤い部分が東部、青と黄色の部分が西部と定義される。そして、この東部と西部には1時間差の標準時が設定されている。日本との時差は首都キンシャサ(西部)が8時間、私たちの住んでいるGoma(東部)だと7時間ある。

アフリカ大陸で複数の標準時を持つのは唯一、コンゴ民主共和国だけなのだそうだ。同じ国の中で時差があるのは何ともややこしい気がする。日本で例えるなら、大阪から東京に行ったら時計を進めないといけない…とか、標準時の境目に住んでいる人が銀行に行きそびれたら、西側に行ったらまだ空いてるのだろうかとか、。アフリカで一番大きな面積の国・アルジェリアは1つに統一しているのに、不便さは感じないのだろうか。

Gomaとキンシャサをよく往復しているイレールに尋ねてみたら、なるほど、それにはちゃん理由があった。1番にはコンゴ民主共和国は9つもの国と国境を接しているということ。隣国と行き来が盛んな国境にあるそれぞれの街で、道路1つ隔てて時間が変わるのはデメリットが大きい。接している国の時間に合うよう東側・西側の時間を広大な国内で2つ設けている方が、なるほど便利に違いない。更に、アルジェリアは国土の8割が砂漠だ。面積がアフリカ最大とはいえ、大半の人口は北側のごく一部の土地に集中していることを考えると、標準時は1つで充分だ。

住んでみて、初めて自分事として湧いてくる疑問ってあるものだと感じる。地図や教科書を眺めているだけでは「ふーん。」で通り過ぎてしまっていたかもしれない。

 

 

 

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